競合が多い市場で小さなサービスが選ばれる方法|日本の個人開発4例
競合が多い市場で小さなサービスが選ばれる方法|日本の個人開発4例
機能数で大手に勝つのではなく、利用場面を狭く深く取る。日本の小さなプロダクト4例から考えます。
競合が多い市場で小さなサービスが選ばれる方法|日本の個人開発4例
タスク管理、在庫管理、タイマー、ASO、AIツール。すでに競合が何十個もある市場へ、小さなサービスが後から入って勝てるのでしょうか。
大手より機能を増やそうとすると、ほぼ確実に不利になります。開発人数、予算、ブランド、営業力の差を正面から受けるからです。
小さなサービスが狙うべきなのは「一番多機能」ではなく、「ある状況では一番選びやすい」です。
Circlinkaに掲載している日本のプロダクトを見ると、この考え方が分かりやすい例があります。
例1:RankDockは「ASO全部」ではなく順位記録に絞る
ASOツールの市場には、高機能な分析サービスがすでに存在します。
RankDockの公式サイトは、そこに対して「個人開発者にはASOツールが重すぎないか」という問題設定を置いています。
対象は個人開発者。対応は日本のApp Store。中心機能はApp Store Connectに登録しているキーワードの順位記録です。
検索ボリューム推定や売上分析を何でも載せるのではなく、「自分のアプリのキーワード順位を継続して見たい」というジョブを前面に出しています。
小さなサービスにとって、この狭さは弱点ではありません。比較されたときに「自分にはこれで十分」と判断しやすくなるからです。
Circlinka Growth Idea
RankDockなら、「ASOツール」という大きなテーマだけでなく、次のような用途別コンテンツを増やす余地があります。
- 個人開発者がApp Storeキーワード順位だけ確認する方法
- 高機能ASOツールが必要な人/RankDockで十分な人
- リリース後30日間のキーワード順位の見方
- 実際の順位変化を匿名で紹介するケーススタディ
機能追加より、「誰にちょうどいいのか」を検索・記事・SNSで繰り返す方が先に効く可能性があります。
例2:ZaikoCountは「在庫管理」ではなくBASE小規模店舗の現場へ入る
在庫管理ソフトも競合の多いカテゴリです。
ZaikoCountは対象を広げず、BASEショップを運営する小さなお店へ寄せています。
さらに特徴的なのは、ネットショップ上の在庫だけではなく、イベント販売、委託販売、フリマなど、リアルで在庫が動く場面を問題として扱っていることです。
開発者自身がショップ運営の中で在庫ズレを経験して作ったという背景も、機能一覧より強い説得材料になります。
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ZaikoCountの場合、一般的な「在庫管理ツール比較」へ行くより、困りごとの粒度を下げた方が強そうです。
- BASEとイベント販売で在庫がズレる
- 委託販売の商品数を管理したい
- マルシェ後にBASE在庫を直し忘れる
- 小規模ショップでExcel在庫管理が限界
こうした検索や記事からZaikoCountへつなぐと、「在庫管理」という巨大市場の中でも具体的な入口を取れます。
例3:ondot timerは「タイマー」ではなく計算したくない瞬間を取る
タイマーアプリほど競合が多いカテゴリもありません。
ondot timerは「何分後に鳴らすか」ではなく、「14:51に鳴らす」のように終了時刻を直接入れる設計を中心にしています。
App Storeの説明でも、「何分後か計算したくない」という課題を明確にしています。実際のレビューには、美容師が顧客対応の時間管理に使っているという具体的な利用場面も見られます。
これは非常に重要です。
「便利なタイマー」では競合に埋もれますが、「終了時刻から逆算したくない人のタイマー」になると、説明が一気に具体的になります。
Circlinka Growth Idea
利用レビューから職種やシーンを拾い、
- 美容師の施術時間管理
- 電車で到着時刻まで寝たいとき
- ランチ休憩で戻る時刻を決める
- カフェを出る時刻を決めて作業する
といった用途別のスクリーンショットや短い動画を作ると、App Store上でもSNSでも用途を伝えやすくなります。
例4:Okoeは「マーケティングツール」ではなくお客様の声に絞る
Okoeは、顧客の声・テスティモニアルを収集し、管理し、Webサイトへ表示するところまでを一つにまとめたサービスです。
マーケティングSaaS全体を取りに行くのではなく、「お客様の声を集めてサイトへ載せる」という明確なジョブへ集中しています。
これは、小さなサービスが競合市場へ入るときの典型的な勝ち方です。
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Okoeなら機能紹介だけでなく、実際の掲載例を増やすとさらに価値が伝わりそうです。
- SaaSの導入事例欄
- フリーランスの実績ページ
- 制作会社の顧客レビュー
- 採用サイトの社員・候補者の声
「テスティモニアル管理」という言葉を知らない人にも、「自分のサイトのここに使える」と理解してもらうのが次の伸びしろだと考えられます。
小さなサービスは4つの軸を狭くする
競合が多いとき、まず次の4項目を書き出してみてください。
誰
「企業」では広すぎます。
個人開発者、BASEを運営する小規模ショップ、フリーランスなど、利用判断が似ている単位まで狭めます。
いつ
常に使うのか、特定の瞬間だけなのかを決めます。
「App Store公開後に順位を見たい」「イベント販売後に在庫がズレる」「出発時刻までの残り時間を知りたい」など、状況が見えるほど強くなります。
何に困っている
機能名ではなく、今起きている面倒を言葉にします。
何を捨てる
これは特に重要です。
大手にはあるが、自分の対象ユーザーには不要な機能を明確にします。捨てるものが決まると、価格、UI、説明文まで一貫しやすくなります。
LPのファーストビューでも機能数を競わない
小さなサービスほど、TOPで「こんなに多機能です」と見せるより、最初の一画面で対象と課題を理解させる方が重要です。
良いファーストビューは、
- 誰向けか
- 何が面倒なのか
- どう変わるのか
- 実際の画面
- 次に何をすればいいか
が短時間で分かります。
Circlinkaのプロダクトページでも、公式サイトのTOP画像を大きく見せるようにしたのはこのためです。名前と説明文だけより、実際の画面や世界観が見える方が「自分向けか」の判断が速くなります。
まとめ
競合が多い市場で小さなサービスが選ばれる方法は、大手より多機能になることではありません。
RankDock、ZaikoCount、ondot timer、Okoeのように、対象や利用場面を狭くし、「この状況ならこれ」と理解できる位置を取ることです。
Circlinkaでは今後、こうした日本の小さなプロダクトをただ紹介するだけでなく、どこが選ばれる理由になっているのか、さらにどう見せれば広がりそうかまで記事の中で分析していきます。